本州のちょうど真ん中、日本海に突き出た形をしている石川県能登半島。
「沢野ごぼう」はその半島の付け根に位置する石川県七尾市で古くから生産されてきました。
江戸時代には藩の特産品として将軍家や京都の寺院に献上されるなど、品質の良さで知られてきたこのごぼう。
現在も七尾市内・周辺で生産され、近隣や県内の旅館等でその味は評判となっています。
今回は「沢野ごぼうってどんなゴボウなの?」「沢野ごぼうのイベントがあるって聞いたけど?」など、様々なことについて生産組合の方にお話を伺いました。
― 沢野ごぼうとはどのようなゴボウなのか教えてください ―
沢野ごぼうの特長として一番に挙げられるのはその品質です。スーパーで売られている普通のごぼうは、砂地等収穫する際に便利な土壌で栽培されています。一方このあたりでは粘土質の土壌で栽培されており、これがごぼうの品質に大きく関係してくることになります。
粘土質の土壌でたくましく育ったごぼうは通常のものよりも太く立派にそだちやすく、それでいて肉質が非常にやわらかいという、二つの性質を両立させています。香りなどの点でも優れています。
― 一般とは異なった土壌での栽培ということですが、生産において大変なことはありますか? ―
粘土質の土での生産は普通よりも丁寧に、手間をかけてやらなければなりません。種をまく前に畑の手入れをしっかりしないと普通よりも土が固いですからすぐにごぼうがまがったり、先端が分かれたりしてしまいます。収穫の際にも砂地などに比べて力が要りますから縄をつかった独特の収穫方法があります。
― 沢野ごぼうのイベントや「ごぼう饅頭・ごぼうクッキー」について聞いたことがあるのですが、それらについて教えてください」 ―
それらのイベントについてはこちら、ごぼうを使った料理などについてはこちらをご覧ください
― 沢野ごぼうについてもっと知りたいのですがどんな方法がありますか? −
沢野ごぼうや七尾市に興味をもたれた方、あるいは休日を利用して農作業を体験してみたいといった方のために、期間限定ですが訪れた方自身に手伝ってもらって収穫した沢野ごぼうをつかった料理をつくる「農家レストラン」、「沢野ごぼう掘り体験」などを行っております。自然いっぱいの能登で「グリーン・ツーリズム」をぜひ体験してください
― 最後に生産者の方からのメッセージをお願いします
「絶やすわけにはいかない歴史の重みを感じながら、畑をスコップで1m程掘り、3月から4月中旬に、『良いごぼうに育ってくれ』と願いを込めながら、1粒1粒種を蒔き、水をやる時も『水やぞ、元気だせや』と声をかけ、10月末の収穫まで畑に行き、『元気にしておったか』と1本1本声をかけて育てます。
ごぼうで、沢野町をアピールし、歴史も知って欲しい。ごぼうで、沢野町を発展させ、若い人達が、住んでいて誇りを持てる町にしたい。若い人達が、来てくれることによって、町も明るくなり、元気がでてきます。沢野の自然を体験してみませんか。」
沢野ごぼう事業協同組合副理事 村尾忠宏