世の中にもの申す 26 index

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建て主と設計者の憂鬱

どういう風にして仕事の依頼がくるのかというと

01.これまでに建てた実物を観て
02.その建て主が紹介してくれて
03.建築賞などで新聞に掲載されたものを観て

等が考えられます。建築賞に応募することはそのメリットに加えて、設計に対する評価を受けるという意味も持ちます。当然、設計段階から応募したいことをお客さんに伝えているわけですが、『これまでの作品』のなかで『広島の住宅』がお客さんの許可を得ることができず、未発表になっています。別に僕の仕事がお客さんの信頼を損ねたから・・・というわけではなく、インターネットでの掲載については、不特定多数の閲覧とその信頼性に疑問を抱くというお客さんの考え方によるもので『まぁ、それは仕方がないか』・・・と思っていました。

先日、建築賞に応募するためのファイルを作成するための材料である写真を撮りに行ったときにも、先方の了解を得ていました。ところが、今日12/12/99に『応募は遠慮して欲しい』という葉書を受け取りました。

理由として、電話帳に電話番号も掲載していないのに無言電話やいたずら電話が多くて気持ちが悪く、建築賞などでメディアに掲載されると困るという事でした。当然お客さんの利益を損なうことはできないので、応募は諦めざるを得ません。

人が財産をどれだけ持っていようが、どんな車に乗っていようが、どんな住宅に住んでいようが、自分と比べてもどうしようもないはずです。うらやむエネルギーがあるならば、自分を磨いて、またはそれだけ働いてそういう生活ができるように頑張ればいいはずなのに・・・まぁ、そういう事はわかっていても人間って、理性だけでは押さえきれないものを持っているのでしょうね。


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