世の中にもの申す 22 index

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建て主と建設会社の紛争

先日、面識のない人からメールが来ました。差出人の名前は本文になくメールのヘッダから読みとりました。以下にあるサイトを宣伝するつもりはないので、URLは消して表示します。

Date: Wed, 6 Oct 1999 02:47:22 +0900
Subject: 裁判記録の掲載ご案内
建築業者に、私の主張を認め陳謝させて裁判所の和解に応じました。
法で裁くより個人は和解の方法が法律上良策で有ることを知りました。
この様に契約を履行しなくとも、注文主の損害は微量と判断するため
建築会社は民法634条に守られる結果となり、建築トラブルを恐れていません。
以後法規に則る建物調査、裁判過程での虚偽の事等に対処し掲載します。
ご一読頂ければ幸せに存じます。
http://www.***.co.jp/saiban/saiban.htm

というものです。以下に私の返信を引用します。


以前にも一度、この内容と同じメールを受け取りました。会ったことのない他人にメールを一方的に送る場合にはある程度のマナーが必要と思います。

どこでメールアドレスの存在を知ったか、どういう意図で何故私にメールを出したか、また、本文に名前を書くことも必要ではないかと思います。そうしない場合は、ふつうspamメールとして迷惑がられます。趣旨がわからないまま何度もメールを送られても、ネットの混雑を招くばかりなので、普通そういうメールは無視するのですが、今回は返事を書きます。木村氏のウェブサイトを読んでくださいとのことですが、私は建築の設計を職業としているので、一応読みました。

このサイトがどういう意図の元に書かれて公開されているのかについて私には理解はできませんでした。まず、記録が並んでいますが、その前に設計者・工事監理者が誰なのかを明らかにすべきでしょう。多分『興○建設株式会社』が設計施工をしているのかなとは思いますが、サイトでは施工建設会社との標記しかありません。

内容からして、そこまで細かく設計図通りに造らなければならない(まぁ、当然のことですが)と思っていらっしゃるなら、なぜ、設計施工として工事を発注したかにまで踏み込んで書くべきではないでしょうか。また、なぜ、その施工会社に決定することになったかにも触れるべきではないかと思います。

設計者が施工も行うという事は、当然工事監理も同じ会社内で行うという事です。その場合、監理が正当に行われるかどうか、普通に考えればその結果はあきらかではないでしょうか ? チェックという作業は第三者がやってこそ意味があるということは誰でも理解できていることだと思います。それを一社にお任せするということは、その有利不利を納得してのことなのではと思います。だいたいの性能を得る代わりに設計監理料が、バカ安 !! という事だと思います。なぜ、裁判をする労力をいい設計者・監理者を選定することに費やさなかったのか私としては不思議です。

また、工事途中において『杭の高止まり』に気付いたときに、何故工事をストップしなかったのかにも疑問が残ります。

私は木村氏が悪いとは言うつもりはないのですが、建設会社だけの問題かというと、それだけが原因だろうか ?と思ってしまいます。

また、和解が成立した後、こういうサイトで実名を出すことがいいのか、ちょっと不思議に思いますが。問題はないのでしょうか ?

このサイトの目的は、興○建設と杭の施工者が悪い会社だということを、世間に伝えることによって不利益を与えようとしているのか、または、他の素人の建築主の方にこういう場合があるよと伝えたいのか、その辺の趣旨が伝わってこないように感じました。もし、後者ならば文章はもう少しわかりやすく、平易な文にして欲しいですね。紛争の概略などを普通のわかりやすい文章で書いて欲しいと思います。



上記のメールを出したのですが、それについての返事はありませんでした。『ひどい建設会社ですね。困ったものです』という返事を期待していらっしゃるのでしょうか ? それにはまず、ルールを守った上での事だと思います。メールを返信したお礼にサイトのネタに使わせて貰いました。

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