世の中にもの申す 10 index

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建築を見学するということについて

学校の先生(実社会に出ずに、純粋培養の)は、一般人と比べて自分たちは特殊な地位にあると思いこむ傾向にあると思います。「先生」と呼ばれている弊害でしょうね。
そういう理由があって、メーカーやゼネコンに「先生」と呼ばれる設計者にはなりたくないと思っています。
「世の中にもの申す」の 1ページと8ページに書いた人も「先生」として教壇に立っている人です。

今回の内容を友人の 「nke」氏とメールで話していたのですが
「建設的な話題の種にならない建築の学生と先生って、逆説的でとっても皮肉ですね。ははは。」と、言い得て妙なコメントを貰いました。
皆さんは、どうお考えになるでしょうか ?
 

芝○工業大学 工学部 建築課 宛にメールを送りました

-------------------------06/08/00:30
6/6の11時30分くらいに福島県三春町にある三春歴史民族資料館を見学に行きました。
美術館・資料館は、絵画や彫刻や資料を観に来る人を目的としているために、建築を主として観たい私はちょっと申し訳ないと思っています。当然、受付で写真を撮っていいかも確認します。ホールだけ許可されるところもありますし、展示物さえ撮さなければという所、また、事務室で許可を取る必要のあるところなど、その美術館、資料館によって様々です。たまに、「ホントはダメなんですが、せっかく来られたのですから、黙認します。目立たないように・・・」って、お茶目な担当者に出会うこともあり、嬉しく思うこともあります。企画展示などで、あまり観たくないような内容で、入館料がちょっと高価に感じるときもありますが、展示室内部を観るにはそんなことは言っていられません。元を取るべく眼に焼き付けて勉強しようと思います。

三春の資料館はすごく小さな建物で、喫茶室もなく、せいぜい14帖分くらいの玄関ホールで自動販売機で買ったお茶を飲んでいました。その時、がやがやと、カメラをぶら下げて学生が入ってきたのです。受付の方が、「何人様でしょう ?」と尋ねると「後から、責任者が来るから・・・」と。その間にもぞろぞろと学生は現れて30人弱の人が玄関ホールにあふれ返ってしまいました。ようやく引率の方が現れて、玄関ドアから4mくらい離れた受付に向かって、「我々は、建物を見にきたんで、展示は観ないから・・・」と言って、学生に建物の仕上の説明を始めました。ホールは人で溢れ、その間に入ってきた高齢の見学者は小さくなりながら人をかき分けて受付へ行くような有様でした。

まず、受付まで行って「建築の勉強のために建物を見に来たのだが、少しの時間ここを使わせて欲しい」という風にきちんと挨拶するべきではないでしょうか ?
何メートルも離れたまま、問答無用と言った口調で「我々は、建物を見に来たから、展示は観ないから・・・」と言われても、「唖然としているしかなかった」と後で、受付の方が言っておられました。「建築を観るって言っても、ホールだけで観たことになるのかしら ?」・・・とも。

きちんと入館料を払ってみるのが本来だと私は思いますが、無料で勉強のために建築を観たいならば、先に「こういう理由で観たいのだが、申し訳ないけれど協力して貰えないだろうか」とアポイントを取ってからというのが筋ではないでしょうか ?
アポイントを取っていないなら、せめて学生が建物に入る前に、引率の方が(学生に囲まれて何メートルも離れてではなく)受付へ行って申し込むべきではないでしょうか ?
引率の先生は、学生に建築を観せるならば、一部ではなく可能な範囲を見せる努力をするべきではないでしょうか ?
建築の勉強とはいえ、展示館で建築だけを観ると言うことは、展示されている方に申し訳ないという気持ちは必要ないのか ?

あまりにも傍若無人と感じたので、引率されている芝○工業大学のIさん(学生に聞きました)という方に文句を言ったのですが、手で遮られて、まともに顔を見て聞いても貰えませんでした。あとで学生に「自分は名のらないくせに・・・」と捨てぜりふを言われましたが、ルールを伝えることに名のる必要はあるのかについては私は疑問に思います。
上記の件は、学生さんに名前を聞いたところ、芝○工業大学のIという方が
引率されているという言葉を信じて、このメールを出したのですが
もし、そちらの学校のI先生と違う人であれば、申し訳なくお詫びいたします。
web で、芝○工業大学のI先生を調べると一人が該当されました。
その方は貴校の理事をされているとのことで、このメールが無視される
可能性が高いと思っているのですが、返事を戴けることを期待いたします。

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みなさん、私は間違っているでしょうか ?
ドイツのメンヒェングラドバッハ美術館で「日本からの建築ツアーご一行様」に出くわしましたが、入館料はちゃんと支払っていましたが、写真をバシャバシャ撮って、数十分で嵐のように去っていったのを観て、受付の方が「ここは画を観に来るところで写真を撮りに来るところではない」と憤慨されていて、私たちはすごくつらかったのを覚えています。

-------------------------06/08/10:59
長村さま

メールの内容を見て驚いています。
私の学科に、確かに計画系の教員でIは在籍しております。

事実確認をした上で、再度ご連絡いたしたいと思います。

-------------------------06/08/11:21
長村様

あなたから送られたメールは、重要な内容を含んでおり
私ども建築学科の掲示板(建築学科へのご意見)欄に転載いたしますことを
ご了承ください。
この欄は、自由に意見交換ができる場となっています。
また、よほどの事がない限り、削除は行なっていません。
当日の参加者がいれば、ここで意見などを述べることと思います。
学科のHPを以下に示します。
http://www.********.ac.jp/

-------------------------06/08/12:14
芝○工業大学 建築学科   *** 様

メールの返事を戴きました。ありがとうございます。

>あなたから送られたメールは、重要な内容を含んでおり
>私ども建築学科の掲示板(建築学科へのご意見)欄に転載いたしますことを
>ご了承ください。
>この欄は、自由に意見交換ができる場となっています。
>また、よほどの事がない限り、削除は行なっていません。
>当日の参加者がいれば、ここで意見などを述べることと思います。

当日、学生に「あなた達は、どこの大学の何という研究室ですか ?」と尋ねました。
「芝○工業大学のI研究室だけど」
「建築を見学に来て、お金も払わず、申し込みもせず、無料で観ることについて、どう思いま
すか ?」
「予算の都合もあるだろうし、とにかく、僕たちはついてきているだけだから」
「いや、そうではなくて、あなた達建築を学ぶ学生として、こういうことを
どう思うのですか ?」
「・・・・」
「ノーコメントですか」と、私は帰ろうとしたのですが
「文句あるなら、直接I先生に言えばいいでしょ」
「メールを送ろうかと思っているよ」
「直接言えばいいじゃん」
「そりゃそうだね」・・・ということで、学生の言うことを聞いて、
Iさんに直接話したのですが、まともに聞いていただけませんでした。

学生さんが仰るように、メールではなく、直接、私はIさんに伝えたし、
学生さんの意見も直接聞きました(答えは返りませんでしたが)
30名ちかくの人数の中で一人で意見を言う気持ちになって貰えないでしょうか。

それをいまさら、掲示板で意見を聞いて議論というのは、筋違いであると思います。
Iさんや学生には聞いていただけなかったので、学校としてどう思うかを
私は聞きたいと思っているのです。その回答の要約と今回の顛末は web page
に掲載しようと思っています。これは***様が仰るように、いろいろな面で
重要な内容だととらえているからです。私は、同じ建築を観に行った者として
三春の資料館の方には、ものすごく恥ずかしくいたたまれない思いをしたからです。

>この欄は、自由に意見交換ができる場となっています。
それなら、当日まともに応対していただきたかったと思っているのですが、
私の考え方はおかしいでしょうか ?
この問題は、建築を学ぶ学生に建築の見方を教えるという点について
基本的ですが、重要なことであるとおもうのです。
建築を観た数を競うのではなく、どれだけのものを建築から得てくるか
という点で、貴校のやり方は間違っていると思うのです。
また、私はたまたま三春町民俗資料館でそれに遭遇したわけですが、
その前後にも同じことをされていたのだろうし、そうでなく
三春の資料館が小さいからそこだけだ、ということであれば
それは三春町資料館に失礼なことであると思うのです。

-------------------------06/08/21:30
掲示板に転載された私のメッセージに対するコメント

見学に行った者より さんからのコメント
この方がここに書かれている事は事実であり、見学にいった私もその時に少し同じ事を考えました。
ただこの時の情況として、この資料館に来る道の途中に迷い、それぞれがばらばらになってしまい、生徒が先に到着するという状況がおこりました。その資料館を見学すると思っていた生徒は当然中に入っていきました。後から分かった事なのですが、I先生は、その資料館は時間の都合や今回の見学の主旨からそこの美術館の中は見学はしないで、外観のみの見学の予定みたいでした。そういった事も伝わってはいなかったので、こういう指摘をされる事態がおこったのだと思います。そして、この事態に対する生徒、先生の対応は不適切だったと思われます。

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少なくとも学生の一人はまともな常識人に近かったのでしょう。
しかし、教官・学校のコメントはなかったので、方針を変えるつもりはないということなのでしょう。私にもっと地位があればこれとは違った対応だったのでしょうね。


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