世の中にもの申す 8 index

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住宅の鍵の引き渡しは、財産の引き渡しでもあります。

現場施工中の責任は施工会社が持ちますが、鍵が引き渡された後はまだ引っ越しが済んでいなくともお客さんが責任を持つ必要があります。このことから設計事務所自体は鍵の引き渡しには関与しないのですが、立ち会いはします。その上でこれからの責任はお客さんにあることを伝えます。

今回の住宅を引き渡した翌日(まだ引っ越しは終わっていない)、ある設計事務所が施工会社に見学を申し出て・・・それを、たまたまお客さんに伝えるのを忘れていた・・・たまたま手直しがあって玄関の鍵を担当者に貸していた・・・その日担当者は、たまたま別の用事でいなかった・・・別の人がその設計事務所を案内した
・・・という、不運 ? が重なって、お客さんの知らないうちに他人が住宅の中を見学して、写真まで撮っていた・・・それにお客さんが気付いて、うちの事務所に電話がかかってきた。「知らない人が、家の中に入って写真を撮っているけど・・・」と

やっと、引き渡すことができて「ほっ」とした翌日にそんな電話がかかってきてびっくりです。
我々が建物の検査をするときでさえ、玄関に土足で入ることもせず、家族で玄関を入って貰おうと思っていたことなど第三者に分かるはずもなく、文字通り土足でずかずかと入られた気分です。素人ならいざ知らず設計を職業にしながら、どうしてそういうことをするのでしょう。私たちでさえ、お客さんと相談して4/18に見学させて貰うことになっているのに・・・

施工会社に申し込んでいるのだから良いだろう・・・は通じないと思います。引き渡し後だと知らなかったも、通じないと思います。・・・なぜなら、かれらが設計を職業としているからです。堂々と設計事務所に直接申し込めばいいと思いませんか ?設計したものを見てもらうことは、嬉しいことですが・・・
「引き渡し前だと思っていた」とその設計事務所は言っていたけれど、完成しているのはあきらかですし、お客さんにしても、名前も知らない人に中を見られた上に、写真まで撮られて気分のいいことではありません。
住宅の場合見学を申し込んでも、全ての部屋を見せて貰えるわけではないことは、自分の家に置き換えれば分かるはずです。

そういう設計事務所に、お客さんのことを思った設計ができるのでしょうか ? 自分のお客さんの利益だけは守るのでしょうか ?

文句を言いに行って、フィルムも取り返してきましたが・・・「あ〜ぁ。また敵を作ってしまったなぁ」と、憂鬱な気分でした。


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