世の中にもの申す 7 |
今回、珠洲の住宅の見学会をする予定で参加者を募りました。
ところが参加したいという人の中で、建築の意匠設計者は一人もいませんでした。
以前、先輩(大高建築設計事務所の先輩ではない)が、「若いうちは建物を見に行くけれどだんだんと見に行かなくなるよ」と言っていた。この真意は私には分かりませんが、「そういうこと言ってるから、いい設計できないのは当然じゃない」と心の中で思っていました。(いい設計というのはまた難しい話になるので、いずれまた) 建築を見学するということは、「うまい」部分があったら「ぱくる」のではなく、刺激を求めてということです。人間が一人で頭をどれだけ働かせても、所詮たかが知れています。建築を観て、その設計者が頭の中で考えたことをトレースする事は、すごく勉強になります。「多分設計者はこう考えてこう図面化して、施工者はこう作りたかったんだな」と眼を閉じて建築物が完成するまでをトレースします。次に「私だったらこうしているな」と自分に置き換えてもう一度トレースしてみます。その結果は目の前にある建築より悪くなることもあり、その場合は「なるほど、○○氏はやはりうまいねぇ。さすが建築家だ」、ときにはどう考えても私ならこうするな・・・と思った方がよくなる場合もあります。その時は「ちょっと、勝ったね」と嬉しくなったり・・・。
でも、他の設計事務所の人はそう思っていないようで・・・
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