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2001/05/03 建築のサイト

よく、いいサイトを教えてくださいというメールをもらいます。別にサイト評論家でもないのに何故僕に聞かなくっちゃならないわけ ? と不思議になるんだけど・・・

確かに、これまでに設計事務所から学生のサイトまで建築関係のサイトを沢山見てきました。『これはっ !』っというサイトに出会う確率はかなり低いというのが実感です。殆どが勉強にさえならず、ひどいのはトップページでバイバイしてしまうこともありました。

設計事務所のサイトは、たいていが将来お客さんになるだろう人に対して媚びているのがミエミエです。こういうサイトは見ている方まで惨めになります。また、カタログを用意してスキャンしたようなサイトでは『名刺にURLを印刷したかったのね』と想像してしまいます。こういうサイトほど更新されていないのも特徴です。だって、書くことさえないんでしょうから。

と、文句たらたらの僕がこれは一番だろうと思っているサイトがあります。『ぽむ企画』です。「桂さん」と「み江さん」という大学院生が作っていたサイトです。めでたくこの春には修了されて、大学院を追い出されたそうですが・・・。設計事務所のサイトは数千とあるのに、学生に負けているというのは悔しいことですがいいいものはいいと認めざるを得ません。

例えば画像やテキストは印刷物に置き換えることができます。フラッシュなどで表現されたカッコいいサイトはビデオなどで代替えできます。殆どのサイトは他のこれまでに存在したメディア表現で置き換えることができます。言い換えれば別にウェブ上で表現しなくても済むわけで、単にそうしているのは価格が安く大量に配布できるメリットを使っているに過ぎないわけです。配布といっても駅前で配っているティッシュのように自分からばらまくのではなくて、レジの横に積んであるチラシのようなイメージでしょうか。

『ぽむ企画』は殆どがテキストですが・・・っていうか、学生でしたから設計事務所のように『建築物の画像』を持っていないので、自然とテキスト中心になってしまう・・・その文章の中にそこたらじゅうリンクが張ってあります。こうなると普通のテキストにみえながら、印刷しようがない・・・つまり、ウェブ上でしかその性能を満たすことができないわけです。

すごくシンプルで、特殊な技を使っていないのに一番『web site』らしい『web site』といえるでしょう。そのリンクのリンク先の選び方にセンスがあるし、説明も楽しめるという二重のおいしさがあります。流し読みするのではなく、じっくりリンクまでたどってみると面白さがわかるのではないでしょうか。

僕としてはこういう、流し読みもできるしじっくり楽しむこともできるという造り方に魅力を感じます。意図してこうしているのかはわからないのですが・・・。


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