建設省告示第1206号 index

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この告示によって設計料を算定するのが本来の姿であるが、現実問題として大半の設計事務所の設計料はこの水準に達していないと思われる。他事務所はとにかく、当事務所では達していないが、最低限として『本来はこれだけ以上は必要だ』ということを伝えることにしている。その後は、打合せ次第ということです。
建設省告示第1206号
建築士法(昭和25年法律第202号)第25条の規定に基づき、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準を次のように定める。 
  昭和54年7月10日 

建設大臣 渡海 元三郎 

最終改正 平成9年4月1日 
◆ 第一 業務報酬の算定方法 
 建築士事務所の開設者が建築物の設計、工事監理、建築工事契約に関する事務又は建築工事の指導監督の業務(以下「設計等の業務」という。)に関して請求することのできる報酬は、複数の建築物について同一の設計図書を用いる場合その他の特別の場合を除き、第二の業務経費、第三の技術料等経費並びに消費税及び地方消費税に相当する額を合算する方法により算定することを標準とする。 

◆ 第二 業務経費 
 業務経費は、次の(イ)から(ニ)までに定めるところによりそれぞれ算定される直接人件費、特別経費、直接経費及び間接経費の合計とする。 
 この場合において、これらの経費には、課税仕入れの対価に含まれる消費税及び地方消費税に相当する額は含まないものとする。 

(イ)直接人件費 
 直接人件費は、建築物の設計等の業務に直接従事する者のそれぞれについての当該業務に関して必要となる給与、諸手当、賞与、退職給与、法定保険料等の人件費の一日当たりの額に当該業務に従事する延べ日数を乗じて得た額の総和とする。 

(ロ)特別経費 
 特別経費は、出張旅費、特許使用料その他の建築主の特別の依頼に基づいて必要となる費用の合計とする。 

(ハ)直接経費 
 直接経費は、印刷製本費、複写費、交通費等建築物の設計等の業務に関して直接必要となる費用((ロ)に定める経費を除く。)の合計とする。 

(ニ)間接経費 
 間接経費は、建築物の設計等の業務を行う建築士事務所を管理運営していくために必要な人件費、研究調査費、研修費、減価償却費、通信費、消耗品費等の費用((イ)から(ハ)までに定める経費を除く。)のうち、当該業務に関して必要となる費用の合計とする。 

設計監理料 = 直接人件費 + 特別経費 + 直接経費 + 間接経費 ・・・という意味

◆ 第三 技術料等経費 
 技術料等経費は、建築物の設計等の業務において発揮される技術力、創造力等の対価として支払われる費用とする。 

◆ 第四 直接人件費等に関する略算方式による算定 
 業務経費のうち直接人件費又は直接経費及び間接経費の額の算定については、第二の(イ)、(ハ)又は(ニ)にかかわらず、次の(イ)又は(ロ)に定める算定方法を標準とした略算方法によることができる。 

(イ)直接人件費 
 設計又は工事監理等(工事監理、建築工事契約に関する事務及び建築工事の指導監督をいう。)の業務でその内容が別添一に掲げる標準業務内容であるものに係る直接人件費の算定は、通常当該業務に従事する者一人について一日当たりに要する人件費に別添二に掲げる標準業務人・日数を乗じて算定する方法 

(ロ)直接経費及び間接経費 
 直接経費及び間接経費の合計の算定は、直接人件費の額に1.0を標準とする倍数を乗じて算定する方法 

略算方法として   まず、下表の 『別表第1』 により 『類別』 を調べる → 次に 『別添二』 より  『類別』 と 『工事金額』 から 『業務人・日数』 を求める
設計監理料 = 直接人件費 ( 業務人・日数 × 一日あたりの人件費 ( 下表のランクE ) × ランクによる換算率 ) + 経費 ( 直接人件費と同額 ) ・・・という意味

別表第1 建築物の用途等による類別 ( 住宅は第4類になります ) これは建築設計の難易度を用途によってグループ分けしたものである
別添二 業務人・日数 ( 類別や工事金額によってどれだけの人工数が必要かを表している ) ある建築を設計・監理する場合に必要な人工数を表している。

 
上記の『一日あたりの人件費』は下記の区分『E』を基準として実際に業務を行う担当者の経験を換算率によって補正する。なお『告示段階で採用した・・・』は昭和54年当時の給与水準によって率が定められた。 この告示段階でEランク(標準)に該当する者に対して16,000円という標準値が解説書に記されている。しかし告示段階と現状では給与水準がかけ離れているので、『現状のランク別給与水準と・・・』の換算率を採用するのが望ましい。
ランク別給与水準・技術者構成表
資格・経験による区分 告示段階で採用した業務能力の換算率と技術者数構成比 現状のランク別給与水準と技術者数構成比
換算率 構成比 給与水準 構成比

一級建築士取得後18年以上、または二級建築士取得後23年以上相当の能力のあるもの
1.80
3.78
2.26 
26.2 

一級建築士取得後13年以上18年未満、または二級建築士取得後18年以上23年未満の業務経験のあるもの、及び大学卒業後18年以上相当の能力のあるもの
1.80
1.68 
13.4 

一級建築士取得後8年以上13年未満、または二級建築士取得後13年以上18年未満の業務経験のあるもの、及び大学卒業後13年以上相当の能力のあるもの
1.56
17.33
1.49 
12.0 

一級建築士取得13年以上8年未満、または二級建築士取得後8年以上13年未満の業務経験のあるもの、及び大学卒業後8年以上相当の能力のあるもの
1.23
11.77
1.27 
11.5 

一級建築士取得3年未満、または二級建築士取得後5年以上8年未満の業務経験のあるもの、及び大学卒業後5年以上相当の能力のあるもの
1.00
31.39
1.00 
9.4 

上記各欄に該当しないもの
0.69
35.73
0.95 
27.6 

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