FARLAND PARTY
ひびきつくねの ファーランドパーティ
Last Update : 2002.09.12

Copyright T.Hibiki 2002

お答え・その2

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Q11.ファイルの「属性」ってなんぞ?
 ディスク、特にハードディスクには、あなたが作ったデータの他、プログラムファイルやシステムファイルなど重要なものがたくさんあります。取り扱いを間違えば、OS自体が起動しなくなってしまうものもあります。そういったものに付けておくものが属性で、簡単に変更や削除をされないようにするために付けるものです。
 ファイルだけでなく、フォルダにも属性が存在します
 少し上の話とは異なりますが、オリジナルファイルには普通なんの属性もありません。しかし、ディスクに複製を作ったりファイルを更新したりすると、A(アーカイブ)、という属性が付きます。
(ReadOnly,読み取り専用属性)
 書き込みを禁止するための属性
(Hidden,隠し属性)
 普通ではファイルを見えないようにしておく属性
(System,システム属性)
 Windows システムに不可欠となるようなファイルに付ける属性

(Archive,アーカイブ属性)
 コピーされた、また変更されたファイルに付く属性
「バックアップしたらこの属性を消すので、この属性の付いているファイルはバックアップされていない」といった用途に使われるのが一般的です。なおバックアップとは、「別の場所にコピーして保管しておき、誤って変更や削除をしてしまった時に元に戻せるようにしておくこと」です。
 ファイル,フォルダにはこういった属性が付いていることがあります。
 エクスプローラで、ファイルの上で右クリックし、プロパティを開くとチェックが付いていたりします。そのようなファイルは、非常に重要な意味を持っていることもありますので、使用する際には、それをふまえた上で作業を行いましょう。


Q12.エクスプローラで、絶対にあるはずのファイルが、見つからない!
 隠し属性やシステム属性の付いているファイルや、一部の拡張子が付いた特殊な種類のファイルは、標準では見えないように設定されています。これは Windows の策略です(^^;
 エクスプローラのメニュー、
「表示」もしくは「ツール」から
「(フォルダ)オプション」を選択すると、その中のどこかに、
「ファイルの表示」もしくは「ファイルとフォルダの表示」といった項目があります。
 ここのチェックを「すべてのファイルを表示する」にします。そうすると、ファイルが見えるようになります。
 一部のフォルダは、隠し属性になっていると一覧には表示されないことがあります。その時は、エクスプローラ左側のツリー表示側で、+マークをクリックすると、その隠しフォルダとその中身が見えるようになります。

 もうひとつ。「登録されているファイルの拡張子を表示しない」というところにチェックが付いているときは、このチェックを外しておくと、全てのファイルにきちんと拡張子が付いた状態になります。エクスプローラはさらにわかりやすくなるでしょう。


Q13.右クリックの項目「送る」って、使ったことない……?
「送る」を活用すると、選択するファイルごとに処理(アプリケーション)を選べるので便利だと思います。また、フロッピーディスクにコピーをするときにも、役に立ちます。初期状態ではフロッピードライブやメールのショートカットがあります。

 例えば、「拡張子が.txtでないテキストファイル(.batや.sys、.html等)を『送る』の中のメモ帳ショートカットから開こう」とか、「普段JPEGGIFなどのファイルはダブルクリックするとブラウザが起動して面倒、そうだ、フリーウェアGVを『送る』の中に入れとけば便利かなぁ?」などが考えられます。
 画像処理や音楽処理、テキスト処理のアプリケーションのショートカットを「送る」に用意しておくと、結構便利だと思いますよ。

 ちなみに、「送る」の中の項目は(標準では)、9x系では \WINDOWS\SendTo フォルダ、WinNTでは \WINNT\Profiles\<アカウント名フォルダ>\SendTo フォルダ、Win2000,XPでは \Documents and Settings\<アカウント名フォルダ>\SendTo フォルダに置きます。使わないものは消してしまうとすっきりします。


Q14.Q13の説明の中の言葉、わからない!
 はい、そうしましたら一つずつ挙げていきます。
ショートカット
 近道。実行ファイルをダブルクリックして実行するのではなく、それをどこからでも実行できるようにしたリンクファイル。
 スタートメニューの中身のほとんどがショートカットファイルです。例えば、スタートメニューの中には「エクスプローラ」という項目がありますが、これは「エクスプローラ」というファイルを実行しているわけではありません。Windows のフォルダにある「EXPLORER.EXE」というファイルを、わかりやすい場所から実行させよう、という目的で作られたものなのです。

テキストファイル
 文字コードのみが保存されたファイル。
 ワープロソフトや表計算ソフトでは、文字の大きさや色、線の太さや色、印刷仕様など様々な設定をファイルに保存します。そういった設定をとことん外し、文章文字のみの並びでファイルとして保存したものをいいます。

JPEG(ジェイペグ),GIF(ジフ)
 画像をファイルとして保存する時の種類。
 インターネットではこの2つが主流です。理由は、ファイルサイズが小さくなるから、です。難し話として、JPEGでは不可逆圧縮を、GIFでは使用している色の数を少なくしてかつ可逆圧縮をしています。(可逆:元に戻せる,不可逆:完全には元に戻せない)

ブラウザ(Browser)
 ブラウズ(Browse;チェックする)のためのツール。
 あなたがこのページを見ている、インターネットのホームページ(正しくはウェブページ)を見るツールを、ウェブブラウザと呼びます。Windows や Macintosh では、インターネットエクスプローラやネットスケープナビゲーター(コミュニケーター)が一般的ですね。

フリーウェア
 一般の人や企業が作った、お金を取らず無料で配布しているアプリケーションソフトやデータのこと。
 これに対して(試用して気に入ったら)作者に送金することでパスワードを受け取り、ユーザー登録をして制限なく使えるようになるものをシェアウェアといいます。ユーザー登録していないシェアウェアは、たいてい機能的な制限があったりします。

GV
 固有名詞。グラフィックビューワーツール。
 多くの種類に対応した、画像閲覧のフリーウェアです。わたしもすごく重宝してます。

Q15.レジストリって、なに? お店のレジと違うの?……ちがいますよね(^^;
 意味は同じです。
 レジストリは、Windows の様々な設定を保存・管理してるものです。お店のレジ(レジスター)は、金銭を登録,保管しますよね。保管するものが違うだけで、意味は同じと言えるでしょう。
 コントロールパネルで操作できる設定や、拡張子のアプリケーションの関連付け(例:「拡張子が .txt のファイル」を選んでダブルクリックすると「メモ帳」が開く、といった設定)、ウィンドウを画面のどこに配置するかその大きさ、アプリケーションの中での設定、はたまたゲームの記録なども保存しているのがレジストリなのです。

 標準では、9x系では、Windows のフォルダにある system.dat と user.dat という2つのファイルがレジストリファイルです(拡張子.da0はこれらの最新バックアップ)。WinNTでは Profiles\<アカウント名のフォルダ>に、Win2000,XPでは Documents and Settings\<アカウント名のフォルダ>に ntuser.dat といったようなレジストリファイルがあります。Windows 起動中は、見ること消すこと名前を変えること、一切できません。


Q16.コントロールパネル項目を毎回素早く起動したい!
 スタートボタンメニューやデスクトップに、(略して)コンパネフォルダを作っちゃいましょう!

 例えば、デスクトップに作るのなら、デスクトップのなにもないところでマウスを右クリック。スタートメニューに作るのなら、「スタート」ボタンを右クリックして「開く」を選び、開いた窓の中のなにもないところで右クリック。
 それぞれ「新規作成」→「フォルダ」を選びます。
 名前を、次のように打ち込んでください。
こんぱね.{21ec2020-3aea-1069-a2dd-08002b30309d}
「こんぱね」の部分はどんな名前でも構いません。これで、名前を決定すると、アイコンがフォルダからコントロールパネルに変わります。21ec... の場所は固定なので、そのまま入れてください。なお、わたしは覚えました(>▽<;

 このQではコントロールパネルを作りましたが、プリンタやごみ箱といった特殊なフォルダでも、どこにでも作ることができます。上の{ }でくくられた部分の数字を変えるだけで良いのです。次にいくつか特殊なものの例を挙げてみます。

プリンタ:{2227A280-3AEA-1069-A2DE-08002B30309D}
ごみ箱:{645FF040-5081-101B-9F08-00AA002F954E}
インターネットキャッシュフォルダ:{7BD29E00-76C1-11CF-9DD0-00A0C9034933}
(こんなものスタートアップフォルダに作ってのぞいたりすると、泣きます(笑))
ブリーフケース:{85BBD920-42A0-1069-A2E4-08002B30309D}
インターネット履歴:{FF393560-C2A7-11CF-BFF4-444553540000}


Q17.メモリ(RAM)を増やしたい!
 メモリを増やすときは、まず手に入れたメモリを挿す場所(メモリスロット)が必要です。スロットがどこかを調べる必要があります。この写真では、右側にある縦長の、白色と黒色(うち1つは装着済み)のものです。空いているところに新規にさすか、既にささっているものを外してそこにさすか、どちらかになるでしょう。
 次に、メモリの種類です。「SIMM」なのか「DIMM」なのか「RIMM」なのか? デスクトップ機であれば、これは、スロットの形状と色を見ればすぐわかります。

<デスクトップ>
・SIMM
 72ピン。白色のスロット。中央に切り欠きがひとつ。DRAM。Pentium以降のCPU(32ビットCPU)では、SIMMは同じ容量のものを2本1組で使用する。それより前のCPU(16ビットCPU)であればSIMMは1本ずつ増設する。
 いまだ、パソコンにSIMMは使いません。容量小さいしアクセス遅いし。レーザープリンタや会社や大学の実験用基板に使ったりします。
・DIMM
 168ピン。黒色のスロット。切り欠きは中央の他にもうひとつ。SDRAM(シンクロナスDRAM)。DDR−SDRAMというのが新しいもので、SDRAMの約2倍働く。DDRに対して、前のタイプをSDR−SDRAMと呼ぶようになったらしい。
・RIMM
 184ピン(16ビットRIMM)と232ピン(32ビットRIMM)。黒色のスロット。切り欠きは、16ビットRIMMが2つで、32ビットRIMMがひとつ。
 詳しいことは、調べたことないので知らないです……(−−;

<ノート>
・SIMM,DIMM
 144ピン。切り欠きがひとつ。(SIMM,DIMM同じ形状だと思う……未確認)

 8,16,32,64,128,256,512MBといったメモリを入手することができます。が、パソコンの種類(正しくは基板についているチップの種類)によって「最大容量」が決まっています。これについては、マシン付属の説明書で確認することができます。

 その他、わたしは説明できないけど(汗)必要かもしれないチェック
「ECC」の有り/無し。「パリティ」の有り/無し。
 ベースクロック100MHzのシステムで、SDRAMが「PC/100対応」かどうか。ベースクロック133MHzのシステムで、SDRAMが「PC/133対応」かどうか。

 こういったことを調べて、メモリを売ってるお店で相談してください。しょーじき、プリンタに付けられるRAMとかハードウェア開発用ボードに付けられるRAMとか、そんなこと聞かれても答えられません(^^;


Q18.ハードディスクに関する専門用語って、多すぎません?
 カタカナ、英語、多いですね……そういう業界だから、と割り切るのも手です\( ̄▽ ̄;
 というか、ハードディスクだけではないのですけど……(謎)。
 そんな説明じゃ怒られてしまいますので(^^;)わたしが一昔前、内蔵HDを買ったときのことを、簡単に書いてみます。

 内蔵HDかぁ……まぁ、回転速度もそんなに必要ないし5400rpmでいいや。DMA?うちのぱそくんは対応してる……はず。SCSIじゃなくてIDEUltraATA対応)。外付けはもう持ってるし。8GBだとちょっと高いから、6GBにしとこっと(←失敗)。これでよいよい☆ プライマリIDEケーブルの残りのほうに繋げて……おっとっと。今まで使ってたほう、ジャンパスイッチ付け替えて、マスターからスレーブに変更しておかなきゃ。電源繋いで。これで、おっけー。

 金具とネジで固定。内蔵CD−ROMドライブのついてる、5インチベイの方に固定しました。

 そしたら、パソコン電源入れて、コマンドプロンプトオンリーで起動して、FDISKっと。パーティション区切らなきゃね。4つまでしか使えないから……FAT16で、データ用に1GB、スワップファイル用に255M、おっきいアプリ&ゲーム用に1GB、残り4GBをFAT32でひとつにしました。

 WIndows 上でフォーマットしたらDOSで読めなくなるから、DOSでフォーマットを完了っと。FAT32だったらクラスタサイズ小さいし、細かいデータも、バックアップくらいのつもりでコピーしておこっと。ありゃ、ドライブレターが増えちゃった。CD−Rのドライブレターに合わせよっと。
 こんなものでしょうか?
 英語ではないものも含まれていますが、ひとつずつ説明していきます。

内蔵,外付け
 HDをどこに設置するかということです。内蔵HDであればパソコン本体の中にネジ止め等で取り付けるでしょうし、外付け(外置き)であれば、安全な場所であればどこでも良いでしょう。
 外付けの場合、ケーブルの長さが重要です。

回転速度
 ディスクは、コンピュータ内部で高速回転しています。一般的に、回転速度が速ければデータの読み書きは速くなります。ただし、回転音が大きくなる場合があります。発熱が大きくなると、ディスク自体が死んじゃう可能性もあります(^^;

rpm
 回転数の単位。Rolling Per Minutes。1分間の回転数です。
 デスクトップ用ハードディスクでは、5400rpm,7200rpm,10000rpmなんかが主流です。ノートパソコン用の小さい(2.5インチ)ハードディスクでは、4200rpmのものが多いようです。

DMA(ディーエムエー)
 DirectMemoryAccess。CPUの制御を受けないで、直接主記憶装置と周辺機器の間でデータをやりとりすることができる方式です。この入出力方式は、パソコン本体が「DMAコントローラ」を持っていて初めて使えます。最近のパソコンで、持っていないものはないです(^^; Windows の設定が、使うようになっているかどうかは別問題です。

SCSI(スカジー)
 周辺機器を接続する規格です。SCSI機器を繋ぐには、本体にSCSIボード(もしくはSCSIカード)が装着されている必要があります。SCSI機器は、一般に「デイジーチェーン」という、複数の機器を数珠つなぎに出来る方法で接続できます。外付けHDやMOドライブを見ると、その後ろには2個の同じ差し込み口があるはずです。
 そしてスカジーケーブルでコネクタを繋ぎ、周辺機器終端にターミネータ(終端)を付けることで接続は完了です。
 ここで、SCSI機器にはIDと呼ばれる番号を設定する必要があります。これを、各機器、重複しないように番号を付けます。基本的には0〜6番で、若い番号から付けていくと良いでしょう。例えば、HDを0番、CD−Rドライブを1番、スキャナを2番、といったふうに。ちなみに、7番はSCSIの「ホスト」なので、機器のIDとして付けることは危険で、たいていは禁止されています。
 新しいSCSIの規格では、これまでの7番までに加え、8〜15番も使えるようになりました。
 注意点として、総ケーブル長が長くなると、機器が認識されなかったり、データの転送が失敗したりします。

IDE(アイディーイー)
 昔からの、内蔵HDやCD−ROMドライブの接続規格です。「プライマリ(1番目)」と「セカンダリ(2番目)」のそれぞれに最大2つずつ(マスタースレーブ)計4つ、機器を接続することが出来ます。こちらは、たいていパソコン本体の中を見れば、既に内蔵HDが繋がっているケーブルとコネクタがあり、使われていないケーブルコネクタ電源コネクタ(4ピン)が見つかると思います。
 ただし、IDEのハードディスクは、プライマリ/セカンダリ合わせて2機しか繋ぐことができないようです。
(詳しくは「ハードディスクのお約束」をご覧ください)

UltraATA(ウルトラエーティーエー)
 IDEの規格を拡張したものです。E−IDE(エンハンスドIDE)の後継仕様、と思ってよいでしょう。通常、転送速度 33MB/s のものを指します。転送速度 66MB/s のUltraATA/66 や 100MB/s の UltraATA/100 など、もっと速い規格もあります。

ジャンパスイッチ
 2本の電極ピンに挿して電気を通す小さなパーツです。大きさは横4mm、縦8mmくらいでしょうか? このパーツの差し方によって、機器内部で流れる電気(信号)が変わるのです。
 このマスター/スレーブの切り替え以外にも、マザーボードではCPUのクロック設定やCMOSクリアといった用途に使われたりします。

マスター/スレーブ
 IDE機器の優先順位です。HDの場合で順番を付けるとすれば、マスター指定のHDが1番目(若いドライブ名)でスレーブ指定のHDが2番目(後のドライブ名)です。
 プライマリ(もしくはセカンダリ)IDEコントローラーに、1つだけ機器を接続する場合、「Single」や「Cable Select」という設定を使うかもしれません。「Cable Select」に関しては、わたしもいまいちわかってません( ̄▽ ̄;
5インチベイ(3.5インチベイ)
 周辺機器を設置する場所です。既に内蔵HDやフロッピードライブが装着されているところは3.5インチベイ、CD−ROMドライブが固定されているところが5インチベイ、と呼ばれるところです。最近では本体も「タワー型」が多くなってきているので、これらの空きも増えてきていますが、従来の、上にディスプレイを乗せる型やスリム型と呼ばれるタイプでは、ベイの空きが少なかったり、なかったりします。
 普通、ネジで簡単に固定できます。
 なお、3.5インチの機器はすべて、5インチベイに付けることが出来ます。わたしが知っている限り、DELL 製マシンにはフロッピーディスクドライブを5インチベイに取り付けているタイプがあります(もったいなー(爆))

コマンドプロンプトオンリー(HDとは関係ありません)
 Win95,98のシステムを起動するとき、NEC98では「Windows??を起動しています...」、AT互換機DOS/Vマシンでは「Starting Windows ??...」という文字がディスプレイに表示されます。Win98の場合はすぐロゴが出てしまって見えないかもしれませんが、「ESC」キーを押してロゴを消すと、ちゃんと書いてあるのがわかります。この、ロゴ画像が出る前にキーボードの「F8」キー(Win98では「Ctrl」キー)を押すとメニューが表示され、起動方法を選択できるようになります。
 メニューの「コマンドプロンプトオンリー」を選べば、Windows を起動することなくDOSというシステムで作業が出来るようになります。
 余談ですが、WinNT,2000,XP,Meでは、MS-DOS モードという「過去の遺産」からは(ほとんど)手を切ったので、通常は使うことは出来ません。まったく使えないわけではなく、使う方法もあります。

FDISK(エフディスク)
 DOSの外部コマンドで、HDの使用領域を設定するツールです。新規にHDを増設するとき、そしてHDを自分の好きなように区切る(ドライブ状態を定義する)ときに使用します。この区切りを「パーティション」と言います。新しくHDを繋いだときは、このFDISKを使ってパーティションを設定しなければなりません。

パーティション
 領域。上でも説明していますが、ひとつのHDをいくつかのドライブに分けようとするときの区切りのことです。
 例えば、HDの容量が3GBであったとき、ひとつめのドライブを2GB、ふたつめのドライブを0.8GB、残りは0.2GB、というふうにみっつのパーティションに分けることが出来るのです。
 上のほうで「4つまでしか使えない」と書いていますが、MS−DOS,9x系ではひとつのHDで同時に使用できるドライブが最大4つなのです。たとえパーティションを6つに区切ったとしても、同時に使用できるのはそのうちの4つだけです。NT系には最大4つという制限はありません。
 ここで、パーティションを複数に区切る(ドライブを複数作る)メリットを考えてみましょう。1つであるときに比べ、2つ以上であれば。

1.システム用のドライブ、アプリケーション及びデータのドライブ、と分けて考えることができる。Windows システムを再インストールする(初期状態に戻す)とき、残しておきたいデータや設定ファイルを、そのままデータドライブに保存しておくことができます。
2.スワップファイル(仮想メモリ)を、別のドライブに設定できる。標準では、スワップファイルは windows フォルダに作られますが、これは Windows を起動するたびにどんどんサイズの変わるファイルであり、システムドライブに置いたままでは、HDファイルシステムの断片化(下記参照)がひどく起こってしまうでしょう。この設定は、コントロールパネルの「システム」の中にある、「パフォーマンス」、「仮想メモリ」ボタンから各ドライブを選択できるようになっています。Win2000では「詳細」というタブに「パフォーマンスオプション」があります。個人的には、スワップファイル用ドライブを確保しておくと、ずいぶん変わると思います。
3.インターネットキャッシュファイルを、クラスタサイズ(項目4つ下参照)の小さい、小さいサイズのドライブに保存できる。インターネットを続けていると、どうしても大量の小さいファイルがたまっていきます。この小さいサイズのファイルをどかどかと保存するのに、クラスタサイズの大きいドライブを使うのは、非常に効率が悪く、もったいない使い方です。保存する場所の設定は、インターネットエクスプローラでもネットスケープでも必ずできるようになっています。

 デメリットですが、少し考えてみましたが、次のひとつしか思い浮かびません。

1.ひとつのドライブの最大容量が減ってしまう。まぁその通りなのですが……。
 余談ですが、Win2000,XPでは「ドライブのマウント」という機能を使うと、既存のドライブの好きなフォルダに、分けたドライブを割り当てることが出来ます。
(例:2番目のドライブ → C:\Data フォルダとして使用できる;NTFS フォーマット(後述)であること)
(上記より)断片化
 ディスクでもメモリでも起こるものですが、データが順番に並ばず(連続せず)、一度にデータにアクセスできない状態を言います。
 例を挙げてみます。表示例で、AAAAA、とあるのは、A、というファイルが5クラスタを使用するサイズのファイルである、ということを表しています。

AAAAABBCCCC  まず、3つのファイル(A、B,C)を順番に保存しました。
AAAAA__CCCC  B、というファイルを削除しました。
AAAAADDCCCCD  D、というファイルを保存しました。

 これを見ておわかりのように、2クラスタ分を使用していたBファイルを削除すると、そこを使って3クラスタ分のDファイルを保存しようとしました。こうすると、Cファイルを挟んでDファイルが保存されてしまいます。このように、Dファイルが順番に並ばない保存になってしまうことを、断片化、といいます。

FAT16,FAT32(ファット)
 File Alocation Table。ファイルアロケーションテーブル。HDのパーティションを区切るときの規格です。FAT16では、1ドライブの最大容量は2GBまでですが、FAT32では、1ドライブの最大容量は前者の1024倍、2TB(テラバイト)までとなります。
 FAT32があなたのパソコンで使えるかどうかは、Windows のバージョンによります。Win95であれば、OSR2以上であることが条件です。これを確認するには、コントロールパネルの「システム」を開き、その中の「情報」タブ、「システム」の欄を見ます。2行目に「4.00.950」とあり、その後ろにアルファベットが付いているでしょうか? そのアルファベットが、B、または、C、であれば、FAT32システムが使えます。Win98以降(NTを除く)であれば間違いなく使えます。
 余談ですが(^^; NTであれば、VFAT(Variable length FAT;ブイファット)(FAT64とも言うらしい)というものがあります。これを使えば、FAT16の最大容量2GBが拡張され、4GBまで使えるようになります(クラスタの説明のところでもう少し触れます)。

NTFS(エヌティーエフエス)
 NTFileSystem。HDのパーティションを区切るときの規格です。NT系で使えます。DOSや9x系からは、使えないし、見えません。
 FATとはかなり違います。一番大きいのはACL(Access Control List)と呼ばれるセキュリティ機能です。ファイルを保存するときに、「このユーザーだけが使えるようにしよう」という「アクセス権」や、「ファイルを暗号化できるようにしよう」という機能、またウィンドウズの拡張機能を使うために必須だったりします。
 1ドライブの最大容量が2TB(理論値では16EB=1677万TB)で、大容量ハードディスクにも対応できます。
 難し話です。NTFSは、現在(WinXPで)バージョンが 5.1 です。
	WinXP  :5.1
	Win2000:5.0
	WinNT(SP:Service Pack の略)
	  SP4〜 :4
	  SP2,3:3  だったと思う……
 WinNT(SP3まで)は NTFS 5.0 以降のドライブにアクセスすることが出来ません。

 マイクロソフトは、「大きなハードディスクを使うならNTFSを使え」と言ってます。FATとNTFSの違いを知らずにNTFSを使っても別段たいしたことはないのかもしれません。しかし、どちらにもメリット/デメリットがありますので、興味があれば比較検討してみると、ちょっとお得です。

フォーマット
 初期化。ディスクを自分のパソコンで使えるようにする重要な作業です。土地の区画整理(地ならしと線引き、番号付け)みたいなものです。たいていのOSには、独自のフォーマットツールが付属しています。
 上で少し触れていますが、FAT32を利用したHDでは、フォーマット作業を Windows 上から行うと、Windows 上でしか使えなくなってしまいます(DOSモードとしての作業が出来なくなる、ということです)。

クラスタ(クラスタサイズ)
 ディスクをフォーマットしたときの、ファイルを保存するドライブの最小の区切りをクラスタといいます(詳しくは「ハードディスクのお約束」をご覧ください)。ファイルシステム(FAT,NTFSなど)とそのドライブの容量によって1クラスタのサイズは異なりますが、基本的に、容量が大きいドライブほど、クラスタサイズも大きくなります。
 例えば、1クラスタのサイズが16kBのときに、30kBのサイズのファイルを保存しようとすると、2クラスタを使用することになります。また、1kBのサイズのファイルを保存するにも、1クラスタを使用します。複数のファイルを、1クラスタ内に共存させることはできません。
 余談ですが、「FAT16とVFATでは1ドライブに区切れるクラスタは65535個まで!」という決まりがあります。

ドライブレター
 ドライブに付けられたアルファベットのことです。Aドライブ、とか、Cドライブ、とか言いますよね。
 ドライブレターの優先順位はHDがもっとも上です。NEC98ではマスター→スレーブ(Aドライブから:HD以外から起動すると順番がずれていきます)、AT互換機ではA,Bドライブは主にFDドライブ、マスター→スレーブ(基本パーティション:Cドライブから)、マスター→スレーブ(拡張パーティションドライブ:基本パーティションの後に続く)。かなりややこしい説明になってますので、ちょっと例を挙げてみましょう。

NEC98
HDマスター(パーティション2つ)とスレーブ(パーティション3つ) →マスター側からA,Bドライブ、スレーブ側がC,D,Eドライブとなります。

AT互換機:その1
HDマスター(基本パーティション+拡張パーティション1つ)とスレーブ(拡張パーティションのみ3つ) →マスターの基本パーティションがドライブ、マスターの拡張パーティションがドライブ、スレーブ側がE,F,Gドライブとなります。

AT互換機:その2
HDマスター(基本パーティション+拡張パーティション1つ)とスレーブ(基本パーティション+拡張パーティション2つ) →マスターの基本パーティションがドライブ、スレーブの基本パーティションがドライブ、マスターの拡張パーティションがドライブ、そしてスレーブの拡張パーティションがF,Gドライブとなります。
 と、ここまでは9x系までの話です。NT系ではこれらは基本なだけであって、重複しない限り、A〜Zのドライブレターを、好きなドライブに割り当てることが出来ます。


Q19.Q18の説明、単体じゃよくわかんないです。
 では、ここから上までの言葉を加えて、HDを「荒れただだっぴろい土地」と考えて説明していきましょう。
 いま荒れた土地を「駐車場」として使いたいとします。ここで駐車場(ディスクドライブ)には車(ファイル)のみを停め、人の通るような道を作らず無視する、とします。

1.ここまでが主として個人用、こっちは会社用にしよう! これがHDのパーティション区切りです。用途に合わせて先に1ドライブの最大サイズを決めておきます。もちろんHDすべてを1ドライブとすることも出来ます。
 この作業には普通、DOSコマンドであるFDISKを使います。

2.荒れているので平らにしよう! これを物理フォーマット、といいます。ドライブにおいての区切り「セクタ」に分けることです。
 セクタ、とは、ディスクは円盤であり、その円盤を、中心から、ナイフでケーキを切るように等分していった区切りのことを言います。
 また、ディスクには、中心から、同心円状に何重もの区切りも入れていきます。この、1同心円を「トラック」と言います。

3.平らになった地面にラインを引いて車を綺麗に並べられるようにしよう! これを論理フォーマット、といいます(大抵のフォーマットの場合、2種類は同時に行ってくれます)。ラインを引くときは当然普通の車の大きさを考えます。と、ここで「普通の車の大きさ」というのが重要になります。
 ここで、一つの車の大きさからの区切りが「クラスタ」です。小さな土地だったら軽四がぎりぎり入る小さな幅で、とことん広ければ、大型バスが優に入るような大きさにしよう! これがクラスタサイズなのです。

4.実際に車をどかどか停めていこう! これがファイルの保存です。
 でも、道がないのに車を停めて出られなくなる! ご安心ください、ファイルは道を通りません。ヘッド、と呼ばれる、細いナイフの先のような形をした板状の棒が、ディスク表面にデータを保存していきます。
 さて、1つの区切りにどんな車を置くのでしょう? 軽四もあれば超大型トラックもあれば、はたまたチョロQ(年がばれる(汗))なども1台といえます。どんなに小さなファイルでも、1クラスタ以上を支配します。
 例えばクラスタサイズが16kBでそこに1kBのファイルを保存すると、15kBは無駄に使われてしまうのです。この無駄をクラスタギャップといいます。次に17kBのファイルを保存すると、2クラスタを使用し、同じく15kBが無駄になります。ギャップは小さいに超したことはありません。小さくするには、クラスタサイズが小さいことが必要となります。

 ここで、1ドライブの大きさによるクラスタサイズを示します。

<FAT16> ドライブサイズ:クラスタサイズ
  256MB未満: 4kB
 〜512MB未満: 8kB
〜1024MB未満:16kB
〜2048MB未満:32kB
(FAT16では2048MB以上のドライブは作れません)

<FAT32> ドライブサイズ:クラスタサイズ
    4GB未満: 4kB
  〜16GB未満: 8kB
  〜32GB未満:16kB
〜2048GB未満:32kB
(512MB未満のドライブはFAT16として扱われます)
(FAT32では、2048GB以上のドライブが作れません)
()


 単純に考えると「ならFAT32でいいじゃないか!」と思うのですが、少し昔のソフトやアプリケーションはFAT32に対応しておらず、動かなかったりエラーが続発するということもあります(1995年くらいに、MS-DOS で動いていたゲームで、動かないのがあったなぁ……(遠い目))
 まずは、パソコンに付属している「再インストールの手引き」などを参照して、FAT32が使えるかどうかを確認する必要があります。
 アプリケーションが使えるかどうかは、実際に動作させてみないとわかりません。
 なお、Win9xでは、128GB以上のパーティションをフォーマットできません。Win2000,XPでは、32GBを超えるFAT32ドライブを新規にフォーマットすることが出来ません。マイクロソフトの罠です(笑)。Win2000,XPで32GBを超える(128GBまでの)FAT32ドライブを使いたい場合は、あらかじめ9x系でフォーマットしておかなければなりません。

<VFAT> ドライブサイズ:クラスタサイズ
  256MB未満: 4kB
 〜512MB未満: 8kB
〜1024MB未満:16kB
〜2048MB未満:32kB
〜4096MB未満:64kB
(基本はFAT16と同じです)

<NTFS> ドライブサイズ:クラスタサイズ
  2GB未満:512B
  2GB以上: 4kB

 NT系では、「Win95系OSとデュアルブートにしたい!(共用したい)」とか「メンテナンスで、DOSモードでこれを使いたい」とか「後で9x系に戻したい」とか、そういった明確な理由がない限りは、NTFSを使えば良いでしょう。


Q20.よし! 実際にHDを接続しよう!
 内蔵 or 外付け?それぞれ、設置する場所はありますか? IDE or SCSI or USB(or その他)? 最後に、どんな大きさ(容量)のHDにしますか?
 これを、自分で決める必要があります。
(USBに関しては、Q27で少し説明しています)

 初心者で、少々高い買い物でも良ければ、「USBもしくはSCSI接続の外付けHD」をお勧めします。これが一番簡単です。
 あんまりお金はかけたくないというのであれば、「IDE接続の内蔵HD」が良いでしょう。SCSIよりも少々面倒ではありますが……安いので(笑)。
 なんて書いてますが、ほとんどの人に「IDE接続の内蔵HD」をして欲しいところです。スカジー接続にするメリットが、そんなにありません。お金持ちの会社が使えば、それでいいような気がします。USBだと、まだ遅いし……(USB2.0がしっかり出るようになったらわからないけど)

 まず、SCSI接続であれば、別途あなたのパソコンに対応したSCSIボードまたはカードが必要です。USB接続であれば、USBポートが必要です。これらをパソコンで正しく認識させなければなりません。SCSIカードの場合、たいてい、パソコンのバススロット(PCIバス,Cバス(汎用バス),ISAバス(ここらへんに時代を感じる(^^;)など)に挿すだけで(付属のFDやCDで(自動的に)セットアップするだけで)うまくいきます。
 HDを購入する。近くの信用できるお店で、動かなかったときにすぐ返品や交換が出来るところが良いのではないでしょうか?
 ケーブルで接続する。USBケーブルやSCSIケーブルを、HDやSCSIカードに付属していなければ購入しましょう。ここで、長さの問題も含め、SCSIについて少し詳しく説明していきます。

 SCSIにもいくつか種類があり、「SCSI2」のように数字が1〜4(5?)までついています。それを次にまとめてみました。
<SCSIの種類>
名前:最大データ転送速度(最大ケーブル長さ:SCSI機器内部を含む)
SCSI         : 5MB/秒
SCSI2(FastSCSI)   :10MB/秒(3m)
SCSI3(UltraSCSI)  :20MB/秒(1.5m)
SCSI4(UltraWideSCSI):40MB/秒
[参考]
(IDE)        :8,16MB/秒
(新しい規格 UltraATA) :33,66,100MB/秒
(わたしがわかってることだけ書いてあります)
(今の主流は2〜4あたりです)

 ボードや機器によってコネクタの形状が違っているので、違う場合は変換器(アダプタ)を用います。次のような種類があります。
<SCSIケーブルコネクタ>
D−subハーフピッチ50ピンアンフェノールハーフピッチ50ピン,D−subハーフピッチ68ピン,アンフェノール50ピン,D−sub25ピン,HDI30ピン
(アンフェノールは、セントロニクスということもあります)
(それぞれオスメスあります)
(内蔵と外付けでまた違います)

 外付けHDであれば、置く場所はパソコンの近くならばどこでも良いので、適当に、上でも横でも、置いておきましょう。あとはFDISKとフォーマットだけですね。

 内蔵HDをIDE接続する前に、設置する場所を確保しましょう。あ、別に、本体の内側底のなにもないところに置くだけでも、一向に構わないのですが(^^; 3.5インチベイがなければ、ネジで固定できる、ベイに装着するのが一般的ですね。金具が必要であれば、パーツ屋さんや電機屋さんで、数百円で購入できます。
 電源ケーブルとIDEケーブルのソケットの空きがパソコン内部にあれば、他には何もいりません。IDEのHDを手に入れたら、マスターとスレーブのジャンパスイッチを確認し、ケースに固定して、差込口の向きに気を付けて、さくさくっと挿しましょう。マシンを起動したら、取り付けたHDが認識されているでしょう。その後で、FDISK使って、そしてフォーマットをしましょう。
 認識されない場合…… の理由として、以下のことが考えられます。
(1)容量が、マザーボードの管理サイズを超えている。そのマシンで、そのサイズのHDを使うことが出来ません。
(2)マスター/スレーブの設定を間違えた。電源を切り、スイッチを再度確認しましょう。
(3)ケーブルがきちんとささっていない。電源を切り、差し込みを確認しましょう。なお、この場合、HDが死んでしまった可能性があります。
(4)ケーブルに異常がある。断線していることも考えられます。
(5)BIOSで無効になっている。難し話です。プライマリ/セカンダリとも、マスター/スレーブとも(計4つ)、有効/無効の設定をすることが出来る場合があります。たいていはON/OFF設定だけなので、変更すればOKです。
(6)そもそもHDが壊れている。断言しづらいですが、他のマシンで試す、詳しい人に頼む、というのが良いでしょう。ほんとに壊れていたら、保証期間中に購入したお店へ!

 ソケットの空きがなければ……同じくパソコンパーツ屋さんでIDEケーブルを手に入れて交換してください。プライマリ、セカンダリいずれも、2台までIDE機器を接続することが出来ます。

 ちなみに、うちの UltraATA/66 のコネクタには、プライマリに2機、セカンダリに1機、計3機のハードディスクが付いています。IDEではハードディスクはプライマリとセカンダリ合わせて2機までしか認識してくれないのですが、UltraATA ではこの制限はなくなりました。

 なにやら、わけのわかんない説明が続いてしまってるような気がします(^^; さっぱりわからなかった方、お店の人に聞いてください(汗)。

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