| 大ちゃんとの出会い2
それからしばらくして、大ちゃんは詩を作るようになってくれたんですけど、それまで私のことを山元先生って呼んでいたんですけど、詩を作る頃に「やまもっちゃん」って呼んでくれるようになりました。で、そのことは、私は大事なことだったんじゃないかなって思います。山元先生って私のことを呼んでいた間は、大ちゃんは私のことを何かさせる人だと思っていたり、こわかったり、きっと同じ線に、対等な関係にはなかったから、それで大ちゃんは私に気持ちを伝えてくれなかったんじゃないかなって思います。だから、「やまもっちゃん」って呼んでくれるようになってから、詩を作ってくれるようになったんじゃないかなって、そういう風に思います。
そして大ちゃんは、どんどんどん詩を作るようになりました。私はそのときも人はこわかったり、させられたりしてる間は、大ちゃんじゃなくっても誰だって、気持ちは伝えられないんじゃないかなっと思いました。人と人はいつも教えたり、教えられたり、する間柄で教師と子どももそうだし、お母さんと子供さんもそうだし、会社の社長さんと社員もそうだし、出会った人はみんな教えやんこじゃないかな、助け合いで持ちつ持たれつなんじゃないかな、だから、人と人はいつも平等で対等な関係じゃないといけないのかな、てそのときに思いました。
じゃ、大ちゃんの詩をいくつか紹介させていただます。
ぼくはぼくやから
ぼくはぼくやから、大切にできる
ぼくはぼくやから、がんばれる
ぼくがぼくやから、すきになれる
今日は、この詩のことをいろんなお子さんのエピソードっていうかいろんなお子さんが言って下さったことを通して「自分は自分でいいんだ、自分だからこそ、好きになれるんだ」っていうお話をさせていただこうと思うんですけど、大ちゃんはこの詩をどんな気持ちで使ったかということはわからないんですけど、障害があるっていうだけで、「かわいそう」とか「障害があってつらいんじゃないか」って言われる方はたくさんおられると思います。でも、大ちゃんはそうじゃなくって、「自分は自分でよかった」って言ってるんだと思います。
ぼくはぼくやから大切にできる、ぼくはぼくやからがんばれる、ぼくがぼくやから、好きになれる。
私のとても大事な大好きな詩です。
雪が見える
ぼくには見える
落ちてくる雪は
みんないろいろ違うけど、
みんなで雪の景色を作る
大ちゃんは自然をよく詩にします。この詩を見たとき、私は世の中には髪の長い人や短い人、太った人ややせた人お国の違う人それから言葉の違う人肌の色の違う人いろんな人がいるけど、やっぱりみんな同じ苦しんだり、楽しかったり、いろんなことがあってみんなお互い様で生きてるんだ、っていうようなことを大ちゃんが教えてくれたような気がしました。
雪の結晶を大ちゃんは見ることができるっていいます。
とっても目がいいんですよ。一つ一つが違うよ、って教えてくれるんですけど、でもいろいろ違うけど、みんなで雪の景色を作ってるっていう詩です。
次、お願いします。
火って不思議やな
となりの火に分けてやっても
火は少なくならんもん
火は心の中の優しい気持ちと同じなんやな
これは大ちゃんと私と散歩してて、おじさんがやきいも作ってて、やきいもくださったら大ちゃんはきっとその方を優しい方だと思ったんだと思うんですけど、でその後に火を見ながら「優しい気持ちも火も分けてやっても少なくならん。」っていう詩を作ったんだと思います。
星の光が見える。
星と僕は知らないもの同士やけど
僕の心を動かす力を持ってるんやなあ。
ちょうどこの頃大ちゃんは、あのお星様の話をよく私にしてくれました。で、遠い星を見たときに星は全然関係なく、大ちゃんに関係なく遠い空で輝いていて自分は全然関係なくここに生きてるけど、お星様を見たときに自分の心が動いた。あのお星様が自分の心を動かしたんだ、と思ったときに、その驚きで作ってくれた詩だと思います。大ちゃんはそのお星様のことがあってから、「あっ、お星様はそこにあるから心を動かすんだな」と思ってからこの詩を作りました。
葉っぱだって石ころだって
そこにあるだけで心を動かす力がある。
それがあるということなんかなあ。
僕だってそこにある。
あるものはみんな大切なんや。
大ちゃんはよく「鳥だって花だって空気だって風だってあるものはみんな大事。大事だからあるんだ。あるってことは大事な証拠。」って言います。それからこんな詩も作りました。
僕が生まれたのには理由がある。
生まれるってことにはみんな理由があるんや。
この詩もそれからこの『ある』の詩もそれから『僕は僕やから好きだ。』っていう詩もみんな自分は自分でいいんだ、自分はとっても大切なんだって教えてくれてるような気がします。
次お願いします。これもあの宇宙の詩です。
僕の手の上に宇宙がある。
僕の体の中にも宇宙がある。
小さなアリの体の中にも
いくつもいくつも宇宙がある。
私は理科の教員なもんですから、ちょっと理科のことが好きなんですね。理科の勉強してて大ちゃんに自分のそういう思いを話すと、大ちゃんは大ちゃんなりの思いで本当に素敵ないろんなことを教えてくれるんですね。
例えば「どうして桜はいっぺんに咲くんや?桜の木の頭のどこで考えてるんや?今咲くべきやってわかるんや?」とかって言ってくれて、どうしてだろうって私がずっと考えてると、大ちゃんは「お天とさまが教えてくれるんやろう。」っていうふうなことを言いましたし、ちょうど核の周りを電子がこう回ってるのという話をしてたんですね。
それから宇宙も、地球の周りを月が回って、太陽の周りを地球が回って、銀河系の中心に太陽系が回ってるんだっていう話をしたときに、大ちゃんは「あっみんな宇宙なんだね。」ってことを思ったみたいでこの詩を作りました。
神戸の地震
次お願いします。これは、神戸の地震が起きた後ずっと大ちゃんは神戸のことを気にしてたんですけど、その神戸に住んでる方からお手紙を頂いて、それを読んだときに作った詩です。
一日暮らしたら、一日過ぎる。
朝になって、夜になって、
朝になって、夜になって、
だんだんだんだん苦しいことも薄くなる。
大ちゃんはそんなふうに思って、だから早く元気が治るといいね。ということを言っていました。
怒ることはいっぱいある。
悲しいことはいっぱいあります。
きれいな雪がたくさん降って
いっぱいを見えなくしてくれたらいいなぁ。


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