ドレイク方程式(宇宙文明数方程式)

写真 フランク・ドレイク 1960年,宇宙人の電波信号をキャッチしようと思い立ち,ウエストバージニア州グリーンバンクにある電波望遠鏡で,宇宙からのノイズを聞く「オズマ計画」を実行した天文学者がいる。それがフランク・ドレイク(Frank Drake)である。そして以下の式は,その翌年に,曰く「ちょっとした思いつきで」彼が提案した銀河系の中の宇宙文明の数を計算する方程式,通称「ドレイク方程式」である。この式の中の多くの項は,定説がなく,研究者一人一人の主観が入り混じる。故にNの値は,人それぞれ,2億5000万とする人もいれば,0.001とする人もいる。
 そのような式であるが,カール・セーガンは『コスモス』12話において,この式を用いて,現文明は完璧なものとは到底いえないが,それでも逆行することも滅亡に向かうこともなく,人類の努力により少しずつでも改善しつつ,維持しつづけることの重要性を説いている。コスモスにおける彼の口調は,冷戦下という時代でもあり,現代のわれわれにはピンとこない部分もあるが,「だからこそ人類そのすべての人に今こそ自然科学を」という彼の主張とともに,マルヨネの教育エネルギーの大きな源となっています。
 しかし,生徒にとってドレイク方程式自体は,やはり難解な式らしく,その思いはなかなか伝わらないなあと思っていたら,『コンタクト』の映画化です。とてもわかりやすい形になったと思い,授業で視聴させているわけです。
 以下,『コスモス』中のカール・セーガンによる,ドレーク方程式の説明要旨です。(式自体もいろんな定義の仕方がありますが,コスモスで使われた形で紹介します。)


ドレイク方程式

各項の説明は,上のとおりです。そしてそれぞれの値や確率について,当時のカール・セーガンがひとつひとつ見積もった数字を当てはめていくと,式中アンダーライン部分の値は,10億になります。
 そして,最後の項ですが,地球を例にとって考えてみます。彼がこれを考えている時代は,核戦争の危機に直面しており,もしそうなれば,たとえ限定的な戦争でも,人類の滅亡の可能性は高いと考えられていた時代ですから,最悪の事態としては,20世紀末に人類は滅亡するかもしれない。とするならば,少なくとも45億年はある地球の寿命に対して,電波天文学文明存在期間は,ほぼ50年,するとL は1億分の1になります。もし,これが銀河標準ならば,N =10になります。直径55000光年の銀河系の中に,人類が交信できる可能性のある文明数は10個です。ほぼ絶望的な値といえましょう。この広い宇宙に,ポツンとひとりたたずむ寂しい人類となります。
 しかし,考えて見ましょう。式中下線部の部分は,ビッグバン以来,一瞬でもいいから存在した文明数をあらわしているわけですから,仮にそのような文明の100個に1個は,努力のすえ幾多の危機を克服し,維持し繁栄しつづけたとすれば,L は100分の1,そうすればN =1000万!一千万の文明がひしめき合っていることになります。それを銀河系内に均等に配置すれば,近いところでは十数光年離れたところにも交信可能な文明は存在することになります。そうすれば,人類は一人ぼっちではありません。そうなら素晴らしいことではありませんか。人類みんなが繁栄を目指し,努力すればこの文明を維持しつづけることは可能なはずです。そしてそのように繁栄を維持している文明は他に必ずあるはずと信じてやってみようではありませんか!

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