観た建築の感想 index

東京国際フォーラム ラファエル・ヴィニオリ 東京都千代田区丸ノ内3-5-1
ガラス棟/大林・鹿島・安藤・銭高・五洋・藤木・森本・地崎・藤村建設JV
ホール棟/大成・戸田・清水・間・鉄建・日産・三菱・大木・小田急・古久根建設JV
SK1989/12・SK1993/06・SK1996/08・NA911111・NA970217・NA960729・NA961021

こけおどしの大げさな構造が面白かった。建築的興味と言うよりも街中に造った公開空地として評価したいと思います。立派で枝振りのいい最高のケヤキ並木があり、ああいう樹があるだけでもあの空間はよく見えます。

しかし、スロープを登って上の方へ行くとちょっと足がすくむ思いでした。僕は、三階建てくらいまでしか監理できないなぁと悲しくなりました。

外国旅行しても『とりあえずな !』といって必ず塔には登って征服してくるのですが実は怖いのです。以前に鉄骨造の監理をしたときには上に登るのが怖くてビビリまくりでした。ホントは足場ができる前に登って見たいのですが、怖いので足場ができてから、手に汗をかくくらい手摺をしっかり握りしめています。

東京フォーラムでは、スロープの床以外手摺はガラスだったので通路の真ん中を歩きました。透明なガラスでは、『こわ〜』なのです。和泉に『専門家なのに怖がってる〜』といわれたのですが、職業なんか関係なく怖いものは怖いです。

ところが、屋根の上(屋根もがラスでできている)に上り、ホースで水を撒きながらガラスの掃除をしている人が下から見えるのです。それに気が付いた数十人にとってそのとき彼はヒーローでした。残念ながら彼はそれに気付いていないと思うのですが・・・。いや、実際は上からガラスを通して口をポカ〜ンと開けて見上げている僕たちに気付いていたかも知れないね。

吹抜のガラス張りの中は上の方に見える鉄骨が船の底のように見えます。中間階に立つと海の中にでもいるような感覚になって、上を見ると海上の船底を。また、下の方を見ると小さく動く人々が海底の虫か何かのように見え不思議な感じでした。

今回の旅行で東京は私がいた10年前とは人と車が異常に増えているような気がしました。人が正常で平静な気持ちを保つのは難しいのではないかと不思議な感じです。首都高で果てしない渋滞の中で叫びだしたいような気がして都会の人は我慢強いなぁと呆れちゃいました。

それは、クラッシュの一歩手前っていう感じで、そこに住んでいるといつもの風景だからそんなに変化に気付かないけど、一歩外から見るとやはり普通ではないと思います。

ちょうど新宿の火事の時に野次馬をかき分けて大ガードから西口を抜けて南口へ行く用事があったのですが、その野次馬の多さに驚きました。暇な人が多いのか、スカッとすることがないからそういうことで紛らわせるのかどちらにしても異常な人数でした。


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