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高岡市美術館  富山県立高岡工芸高等学校青井記念館 富山県高岡市中川1-1-30
内井昭蔵建築設計事務所 清水・佐藤他JV 1994.03竣工
SK1994/09/P177・NA1994/0815/P158・NA1995/0220/P78・DT122/P22
構造設計を担当した古川氏に誘われてプレスレビューの日に見学してきました。

ペンキ用クロスに白色塗装して積層材を刀の鞘の断面のような長楕円形にしてアアルトのように階段の壁を飾っていた。内井事務所の方でアアルトが好きな人がいるらしいのですが、そういえば世田谷の美術館だったかの外構のポール灯がフィンランディア・タロのと似ていたもんね。

絵はがき売場のおっきいガラス面の補強リブが外部に出てその小口にアルミのパイプ。インテリア側にも小さいリブがある。リブが外部に出ていると心ない人に割られそうでなんとなくコワイ感じがしてしまう。ガラスは小口が弱いから・・・。

サインはアルミ板の厚いやつと絵柄をくり抜いたものの 2種類。トイレは赤と青のちょっと透ける奴を象眼しているんだけど、EVやロッカー・TELのはくり抜きっぱなし。外構のもくり抜きっぱなしだったな。格好いいけど、見にくくてちょっとヤバイ。案内図は力が入った作品に仕上がっているけど、やはりわかりにくかった。

外構の洗い出しは庄川産の赤っぽい豆砂利で、内井さんっぽい感じがする。こういう「ぽい感じ」を出すのって幾つもつくっていかないと我々にはできないことですね。

インテリアの打放しは全てモルタルの薄塗りがかかっているようで、外部の打放しが綺麗なだけに何故インテリアだけ ? って思ってしまう。

北陸には幾つか内井事務所の作品がありますが、金沢大野のからくりとか七尾の美術館とか・・・。その中ではここの美術館の完成度が高いと思います。高岡という立地もあってキャストを多用しているのがリッチに感じる原因かも知れません。

全景
内井氏の設計する建物ってどしっとして偉そうにみえるね。現代版アヤソフィアって感じ ?
階段も「どうだ〜」っとばかりに拡がっています。
写真では見にくいけどワイヤが円錐状に張ってあります。「雪吊り」をイメージしたそうですが、そのまんまやないけ !!! と、突っ込みたくなってしまいます。金沢の市民ホールでも芦原氏が同じ様なことをやっていました。それが北陸のイメージを具体化したものなのでしょうか ? 作家にしては安易なやり方ですね。
外構のベンチが一番気に入りました。座ると赤いパイプが背もたれになります。
腰壁の笠木ディテールです。アルミキャストの化粧が付いています。
ね。アアルトっぽいでしょ。
椅子。
アルミキャストのサイン
見にくいですね。
案内板
サイン
高岡は鋳物が昔から有名です。そういう意味もあるのでしょう。サインや笠木・ベンチ等にアルミキャストがまるで展示会のように多用されています。
定礎と館名板もキャストです
トイレの案内
キャストに樹脂の象嵌
電話とロッカーの案内
くり抜いてあって格好いいけどすごく見にくい。傾いているけど写真のせいではありません。現物が傾いていました。

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