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コンテンポラリーアートミュージアム 安藤忠雄建築研究所 鹿島建設 香川県香川郡直島町京の山 1992.03竣工
SK1993/07/P185・NA1993/0607/P112・NA1994/0117/P136・NA1994/0221/P75NA1996/0617/P8
1993/12/30/05:35金沢発-11:50宇野港着-12:50宇野港発-直島行きフェリー(20分間)
1993/12/31/08:35ベネッセハウス発-09:00高松行きフェリー-10:00高松港着-瀬戸大橋記念館-猪熊玄一郎美術館-彫刻家のアトリエ-松山へ

現在のサービス・金額とは違う可能性があることを頭に置いて下さい。当時の感想です。
また、料金は当時のハイシーズンの値段ですので、普通より高めだと思います。

この不況のおり文化面への出資から撤退する企業が多い中、ベネッセコーポレーションは、現在も直島での文化面への投資を続けています。今年「直島・家プロジェクト」第二番目の作品として安藤氏の「南寺」が竣工しています。このプロジェクトは 5件くらいを予定しているらしいのですが、是非続けていって欲しいものだと思います。第三弾の「きんざ」を担当するアーティスト「内藤礼」さんは、和泉の広島女学院時代の同級生らしいです。(同じクラスになったことは無かったらしいけど・・・だからあちらは知らないでしょうけど)
数時間で建築を見学して一日に幾つも見て回るのも一つのやり方ですが、このベネッセハウスに宿泊し、時間をかけて隅々まで空間やディテールを体験するのは貴重な勉強となるでしょう。みなさんも一度直島へ行ってみては如何でしょうか ? 我々が、そういう文化を体験することで、プロジェクトが続いていくことにもなるわけですから・・・。


 

201号室デラックスツインからの瀬戸内海の眺め。向こうに本四架橋が見える。

客室にコーヒー豆を挽いて置いてある。う〜ん。こりゃいいよね。旅館でお茶はわかる。しゃ〜ないよね。でも、ここはリゾートだもんな。夜、ベランダで風に吹かれながらコーヒーの一杯でも・・・ってなるよね。こういうソフト面での気遣いはプラス一点あげよう。


遊び中心のリゾートホテルが多い中で、美術館併用。いつでも自由に楽しめ、内容は限定されているものの、24時間開放の図書室などひと味違った方向を目指している点は、十分に評価できる。人に勧めるとしたら、デラックスツイン。ツインではゆったりできないし、スイートは我々には高価すぎる。デラックスツインはその両方をカバーした適切な客室という結論です。

次の朝、チェックアウトして車に行くときの、長いスロープ。当然庇がないので荷物ごと濡れてしまう。私でも、このアプローチに庇など似合わないことはわかるけど、駐車場へのショートカットは欲しいな。でも、安藤氏は「自然を楽しむにはそれなりの犠牲はつきものだ」と仰るのでしょうね。


ホテルといえば、床仕上げはカーペットか絨毯だけどここはフローリング張りでした。メリット・デメリットについてはよくわからない。あまりこれまで床仕上げについて考えたこと無かったけど、カーペットについたシミはもの悲しいものがあるよね。フローリングについた傷がどう感じるかはまだ未経験でコメントできないけど。

「風呂につかりながら海がみえる」は、リゾートホテルを設計するときに、一度は頭の中をよぎるキーワードかも知れない。それがリアリティを持てるかどうかが問題だ。露天風呂ならともかく、海を見るには昼間風呂に入る・・・であって、夜はどうか ? トマムの新しいタワーは、隅部にジャグジーがあってガラス張り。スキー場は夜ライトアップされるからいいよね。でも、それはタワーだからできること。フラットで浴室を外部側に持っていくと、プランニングが難しいし、効率が悪くなる。んで、ベッドの奥の浴室の壁に窓を開けちゃった。それだと、それ以外の時間風呂が見えて鬱陶しいんで、寝室側に観音開きの扉をつけた。うーむ ??? バスタブ天端から100mmあがって、そのガラスの下端がある。タブの中に寝っころがっていると海の景色は見えない。上半身を姿勢良くおこさないとダメ。一般FLから30mm下がって浴室FL。普通にバスタブを設けると景色を見るにはベッドが邪魔するので、タブを上に上げるしかなくなってしまう。じゃぁ、段下の部分はどうしようか ?えーい。シャワーでもつけちゃえ。そんなジレンマの中で、なんとかこれでいいんじゃない ? って線まで持ってきた。いくらペアガラスを使っても浴室は曇っちゃうし、一人目の使用で海の景色が楽しめても、二人目の浴室使用時には、曇り硝子の向こうに・・・海が・・・ぼや〜っと。になってしまう。この時代に観音開きの扉っていうのもね。せめてサンドブラストの引き込み戸くらいが、この建物にはふさわしいような気がします。やはり、海を見ながらという目的を前面に出すからには、プランニングで外部側に浴室を持って行くべきではなかったでしょうか。
一段上がってのバスタブもなんか変だぞ。猫足のついたタブがポンと置いてあっての一段、ならしっくりくるけど、高さを稼ぐのに・・・ってのが見え見えで・・・。

浴室のカーテンレールは、見える方はタイルを貼ってから、アンカー打ちしてSUS棒を入れ、反対側(カーテンで見えない方)は棒を留めてからタイルを貼っている。これは、施工の取り合いが大変だけどきちんとした納まりになっている。

客室の key は「ゴール」。管理諸室はモドリックのミワ仕様。一つの建物でメーカーを使い分ける利点ってあるんだろうか。デメリットの方が大きいような気がするけど・・・。

夕食 石焼き(2人分)牛肉 3cm×5cm×10・貝柱×4・キス×2・サバ×4・エビ(腰を曲げた状態で)9cm×2・サザエ(小)×6・メバル×2・タイ×4・シシトウ×4・椎茸×2・香の物・焼きおむすび×4・ほうれん草その他の白和え

夕食は和食のみで、石焼き・鍋・懐石の 3メニュー。いずれも8千円(懐石は\12,000)もアリ。宿泊前にどれにするかと聞かれたが、洋食メニューもつくって欲しいし、一人\8,000では内容は見合わないと思う。でも、朝食はホテルとすればとてもリーズナブル。
(8/8/99現在の料理の料金は\6,000〜だそうです)

トースト一枚(ジャム・マーマレード付きおかわり自由)・サラダ・ジュース・コーヒー・サーモンとシシトウのムニエル・スクランブルエッグ

夕食時レストランに集まったのは他に二組。若いカップル。それぞれ懐石と鍋でみんなが違うメニューとなった。ずうずうしいと思いながらも懐石組に声をかけ、ツインの部屋を見せて貰う。我々はデラックスツインだったが、彼らはツインルーム。8m2の差があるんだけど狭いというのが第一印象。リゾートのゆったり気分を味わうには苦しい。(ハイシーズン料金 ツイン30m2/\24,000・デラックスツイン38m2/\36,000・スイート75m2/\70,000)


コンクリート壁の天端は水勾配の溝が切ってあり、片側にはちゃんとドレンも付いていた。壁面が汚れないように処理されているのはさすがです。
サイン
客室201号室平面
遠景
細い道を登ってアプローチする
エントランス
テラス
テラスと客室バルコニー
客室内部
客室バルコニー
床は豆砂利洗いだし
あっさりしている
ちょっと肩すかしを食ったようなデザイン
ベッドの奥に見えるのは浴室の窓
扉を開いておくと浴室から外が見えるという意味でしょうが・・・
洗面・浴室内部
右側に寝室に向かっての窓がある。その窓から外を見たいがためにタブを数段上げている。
洗面
浴槽側から洗面所入り口を見る
円形のホール
トップライト
トップライト見上げ
打放し面につく照明器具用コンクリートボックスの目隠し
照明器具が取り付けられた状態
展示室
屋外テラス見下ろし
屋外テラス
壁面を汚さないために腰壁の天端に溝があり排水されている。天端の金ゴテ押さえはピカピカに施工されている。
腰壁天端の詳細

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