19.モーターコントロール機能付、RCタンクコントローラー「ひのき1型」の作成
モーターを直接コントロールする「アンプの要らないコントローラー」の作成!
これまでのPICを使ったコントロール基板は、音と発光以外はサーボとアンプを使って制御を行っていました。
小型の戦車に組み込むには、サーボをバラしてアンプとモーターを取り出して使うのがスペース的にも都合が良かったためです。
ただし、モーターが小型のためトルクか小さく、1/35でもモーターにトルクが必要な物...例えば、タミヤの1/35ラジコンタイガーや、130モーター以上のモーターのキットに組み込むには不向きでした。

それで、今回小型のモーターから、380モータークラスまで直接コントロールできる物を作ることにしました。
コントローラーの実験 最初に、モーターをコントロールするのに、東芝のTA7291Pと言うIC(いろんな作例で使われている)を使ってみました。
PICと直結で2本制御ピンでコントロール出来るのは便利ですが、130モータークラスでも触れないくらいの発熱で、しかもモーターに供給される電圧が落ちるようで、スピード・トルクとも満足いきませんでした。
あと、TA7289Pや似たようなICも使ってみましたが同じでした。

で、何とか使えそうなのが、東芝のMP4212と言うFETモジュールでした。
当初なかなか手に入りませんでしたが、最近のロボット工作ブームのせいか(間違っても可動戦車ブームでは無いぞ)、通常在庫として取り扱っているショップが出てきました。

ただ、このFETは、PICと直結出来なかったり、制御に4ピン必要だったり(デジタルICを追加すれば2ピンで制御も可能みたいだけど、基板のサイズが大きくなるし...)
さらには、PICと同じ電源でモーターをまわそうとすると、PIC側の電圧が下がってしまう為かPICは暴走するし....と、結構厄介なドライバーです....って、FET使えば当たり前のことかも..(^^;;


回路図 モーターコントローラーにMP4212を使った回路を設計してみました。
ちなみに、私は文系の人間なので、電気・電子関係は素人です...ので、正しい回路図の書き方なんて知りません...(^^;;
記号の書き方等違っていても許してくださいね〜

PICの電源部分には、MCP1252(または、MCP1253)というDC-DCコンバータを使用しています。
これを使えば、モーターと共通に電源を使用しても、PICにも安定して電源を供給してくれます。
ただ、このパーツも手に入りにくく、購入に苦労しました...

プリント基板の設計 今回、一番苦労したのは、これの設計です....(^^;;
MP4212を制御するのに、24ピンのPIC16F873Aを使ったのと、MP4212×3個をいかにコンパクトに配置するか.....
さらに、DC-DCコンバータが表面実装用のパーツでパターンの設計が厄介....と..

サイズは、何とかタミヤの1/35ラジコンタイガーに収まる(モーターギアボックス・電池ボックスはそのままで)程度に..を目標に、47mm×38mmまで小さくしました....いや、ホント苦労したぁ(笑)

仕様1
4chモード
<< 4ch受信機と接続使用 >>
前進・後進→プロポの左スティックの上下
左右旋回→プロポの左スティックの上下と右スティックの左右
大砲音・機関銃音とLED発光→プロポの右スティックの左右(停止中のみ)
砲塔旋回→プロポの左スティックの左右
砲身の上下→プロポの右スティックの上下(停止中のみ)

実際に作ったプログラム→hinoki01_4.asm

今回のプログラムでは、3個のモーターを、プログラム上でON・OFFを繰り返しスピードコントロールしています。
<プログラムの流れ>
1.受信機からの信号入力
2.左右のモーターと、砲塔旋回モーターのスピードを計算
3.3個のモーターの正転・逆転を指定して、モーターをONにする(停止中のモーターはOFF)
4.一定の時間の後、それぞれのモーターをOFFにする(最高速になっている時はONのまま)
5.3と4を何回か繰り返した後、1に戻ります。

走行中は、1〜5のサイクルをなるべく早く行うために、余分な処理は停止中に行うように工夫してます。
例えば、砲身上下にしか使ってない3chの信号は、停止中にしか読みに行きません。
使用するモーターのトルクによって、3と4の繰り返し回数を変えます。
これによって、低速から最高速までの動きを、使用モーターにあわせて簡単に調整できます。
仕様2
2chモード
<< 2ch受信機と接続使用 >>
前進・後進→プロポの左スティックの上下
左右旋回→プロポの左スティックの上下と右スティックの左右
大砲音・機関銃音とLED発光→プロポの右スティックの左右+トリムの左右(停止中のみ)
砲塔旋回→プロポの右スティックの左右(停止中のみで、スティックは完全に倒さない程度)
砲身の上下→プロポの右スティックの左右(停止中のみで、左右トリムはセンターでステックは奥まで倒す)

実際に作ったプログラム→hinoki01_2.asm

これは、2chプロポ(FutabaのATTACK-II)用に作ったもので、2chプロポでも4chプロポと同等の機能が使えます。
但し、停止中の左右のスティックの可動の幅で、砲塔旋回・砲身上下・大砲・機銃音の操作をするので、ちょっとコツが必要です。(笑)

ちょっとスティックを倒した時は砲塔旋回
大きくスティックを倒した時は、砲身の上下
さらに、トリムを倒して、同じ方向にスティックを目一杯倒した時は、音が出ます。

ただ、この方法では、音を出そうとスティックを目一杯倒すと、途中で砲塔旋回と砲身上下の範囲を通って行くので、砲塔や砲身が微妙に動いてしまいます。
そこで、砲塔旋回と砲身上下は、スティックを倒した後1秒くらい位置を其のまま キープして無いと作動しないようにプログラムしました。(ちょっと通った位では動作しない)
キングタイガーに組込!

写真では、受信機にGWS4chの小型の物を使っていますが、27Mzhの受信機でも十分積めると思います。
スピーカーは、シャーシの底に固定しています。
こうすると、車体がスピーカーBOXの役目を果たすので、割と大きな音が出ます。
スピーカーを追加した以外はモーターと電池BOXに基板と接続する為のコネクタをつけた以外は殆ど無改造です。
お売りします...が... 材料費自体は5000〜6000円くらいですが...
一個作るのに....まる2日はかかるので....一個13,000円です....なにせ手作り工芸品?.ですから(^^;;;;
会員の方は、多少安くします。

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更新日2005.5.26